2026年9月28日

尿潜血・PSA高値・腎機能異常の見方を泌尿器科専門医が解説
監修:桐友クリニック北柏 院長 鈴木 正彦(日本泌尿器科学会泌尿器科専門医)

健康診断や人間ドックの検査結果に「再検査」「要精密検査」と記載され、ご不安になったことはありませんか?
泌尿器科に関連する異常は、自覚症状がないまま見つかることも少なくありません。
一方で、一時的な体調変化や脱水などが影響して検査値が変動することもあります。
健診結果だけで病気の有無を判断することはできませんが、必要に応じて追加の評価を行うことで原因の確認につながる場合があります。
今回は、健康診断で指摘されることの多い「尿潜血陽性」「PSA高値」「eGFR低値」「クレアチニン高値」「血尿」について解説します。
※本記事で紹介する基準値は一般的な目安であり、判定基準は検査機関や年齢、性別などによって異なる場合があります。
健診異常を指摘されたら相談を検討したいケース
次のような検査結果があった場合は、泌尿器科への相談をご検討ください。
- 尿潜血陽性
- PSA高値
- eGFR低値
- クレアチニン高値
- 肉眼でわかる血尿
また、
- 尿の勢いが弱い
- 夜間に何度も排尿で起きる
- 残尿感がある
- 排尿時の違和感がある
といった症状がみられる場合は、健診結果と合わせて状態の確認のため追加の検査を検討する場合があります。
1. 尿潜血陽性
尿潜血とは
尿の中に血液の成分が検出された状態です。
基準値
一般的に陰性(-)が基準です。
考えられる原因
- 激しい運動などの一時的な変化
- 腎臓結石、尿管結石、膀胱結石
- 膀胱炎、前立腺炎、腎炎
- 腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん
などが挙げられます。
受診の目安
泌尿器科を受診したことのない方は、一度医療機関への相談をご検討ください。
特に喫煙歴のある方は、膀胱がんなどのリスクがあります。
主な検査
尿検査、尿細胞診、血液検査、超音波検査などを行い、原因として考えられる状態を確認していきます。必要に応じて追加検査を検討します。
2. PSA高値
PSAとは
前立腺から分泌されるタンパク質で、血液検査で測定します。前立腺の状態を評価する際の参考となる検査項目です。
基準値
一般的には4.0ng/mL未満が目安です。
※年齢などによって評価は異なります。
考えられる原因
- 前立腺肥大症
- 前立腺炎
- 前立腺がん
などが挙げられます。PSAが高値だからといって、直ちに特定の病気を意味するものではありません。
受診の目安
健康診断でPSA高値を指摘された場合は、自覚症状の有無にかかわらず、一度医療機関への相談をご検討ください。
主な検査
PSA再検査、問診、直腸診、超音波検査などを行い、必要に応じて専門医療機関での検査を検討します。
3. eGFR低値
eGFRとは
腎臓の働きを示す指標で、血液検査から算出されます。
基準値
一般的には60mL/min/1.73㎡以上が目安です。
考えられる原因
- 加齢による変化
- 高血圧
- 糖尿病
- 慢性腎臓病
- 薬剤の影響
- 脱水
などがあります。
受診の目安
eGFRが60未満の場合、前年より低下している場合は、一度医療機関への相談をご検討ください。
主な検査
血液検査、尿検査、腎エコー検査などを実施し、腎機能の状態を確認します。
4. クレアチニン高値
クレアチニンとは
筋肉から生じる老廃物で、腎臓から排泄される物質です。血液中のクレアチニン値は、腎機能を評価する際の参考となります。
基準値
検査機関によって異なりますが、
- 男性:約0.65~1.07mg/dL
- 女性:約0.46~0.79mg/dL
が一般的な目安です。
考えられる原因
- 加齢による変化
- 高血圧
- 糖尿病
- 慢性腎臓病
- 脱水
- 薬剤の影響
などがあります。
受診の目安
前回より上昇している場合や、eGFR低下を伴う場合は相談をご検討ください。
主な検査
尿検査、再採血、腎エコー検査などを行い、原因として考えられる状態を確認します。
5. 血尿
血尿とは
尿に血液が混じっている状態です。赤色または褐色に見える場合もあります。
考えられる原因
- 激しい運動などの一時的な変化
- 膀胱炎、前立腺炎、腎炎
- 腎臓結石、尿管結石、膀胱結石
- 腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん
などがあります。
受診の目安
血尿を認めた場合は、痛みなどの有無にかかわらず医療機関への相談をご検討ください。
特に、痛みのない血尿や繰り返す血尿は、膀胱がんなどの可能性を考えて検査が必要です。
主な検査
尿検査、尿細胞診、超音波検査、血液検査などを行い、原因として考えられる状態を確認します。
桐友クリニック北柏での検査の流れ
健診結果の確認・問診
現在の症状、既往歴、服薬状況などを確認します。
尿検査・血液検査
現在の状態や数値の変化を確認します。
超音波(エコー)検査
腎臓、膀胱、前立腺などの状態を確認します。
必要に応じた追加検査
尿細胞診、CT、MRIなどを行い、より詳しい評価を検討します。
※外部の連携医療機関へご紹介をさせていただきます。
結果説明と今後の方針の相談
検査結果をもとに、経過観察や追加検査の必要性などについてご説明します。
※健診結果をお持ちいただくことで、過去との比較を行う際の参考になります。
監修医コメント

健康診断で異常を指摘された場合でも、自覚症状がないために受診を迷われる方は少なくありません。しかし、泌尿器科の領域には、初期には症状が現れにくい疾患もあります。
一方で、再検査や精密検査を勧められた場合であっても、必ずしも病気が見つかるわけではなく、一時的な体調変化や加齢の影響が背景にあることもあります。
健康診断は、ご自身の体の状態を見直す機会の1つです。再検査や精密検査を勧められた際は、健診結果を持参のうえ、泌尿器科への相談をご検討ください。
桐友クリニック北柏 院長 鈴木 正彦
関連ページ
健康診断で異常を指摘された際に参考となる関連ページもあわせてご覧ください。
注意事項
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断や治療を目的とするものではありません。
検査結果の解釈や診療方針については、医師の診察を受けてご相談ください。
監修者情報

監修者
鈴木 正彦(すずき まさひこ)
桐友クリニック北柏 院長
専門領域:頻尿、尿漏れ、過活動膀胱、前立腺疾患、血尿などの泌尿器科診療
資格
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
筑波大学医学専門学群を卒業後、筑波大学泌尿器科医局に所属し、複数の地域基幹病院で泌尿器科診療を経験。国立病院機構霞ヶ浦医療センターでは泌尿器科部長として、専門的な診療と地域医療の双方に携わってきました。
現在は、頻尿、尿漏れ、過活動膀胱、前立腺疾患、血尿など、年齢や性別を問わない泌尿器科診療を担当しています。症状だけで判断せず、尿検査、エコー検査、残尿測定などを組み合わせ、生活への影響も伺いながら治療方針を考えています。