尿路結石
尿路結石

尿ができ、排出されるまでの経路を尿路といいます。尿路結石とは、腎臓で作られた尿の通り道である、腎盂腎杯、尿管、膀胱、尿道などに結石ができることです。身体に不要になった物質が尿中に排出され、結晶化して結石となります。結石が存在する位置により、腎結石・尿管結石・膀胱結石などと呼ばれています。結石が尿管にひっかかり、尿路をふさいだりすると、尿管の上流が腫れ、激しいわき腹の痛みが生じます。痛み以外にも、細菌感染が起きると高熱が出ます。
また、長期間放置すると腎臓に負担がかかり、腎機能が低下することもあります。再発を繰り返す人も多いため、結石の成分を調べることも大切です。尿路結石の発症には食生活が大きく関係しています。特に日本人の場合はシュウ酸カルシウム結石症と呼ばれるものが圧倒的に多く、尿へのシュウ酸排泄量が多いことが結石の主な原因であるといわれています。結石成分が結晶化するのは就寝している時間帯が多いので、寝る前の食べ過ぎ、食べた後すぐに寝るような習慣は改めた方が良いと言われています。
野菜(アク)や肉類などを多く食べると、シュウ酸や尿酸などの物質が体内に増えます。シュウ酸にはカルシウムと結合しやすい性質があり、シュウ酸は腸のなかでカルシウムと結びつくと便と一緒に身体の外に排泄されます。しかし、シュウ酸の量が多いと、余った分は尿の中に出てきます。尿の中でシュウ酸がカルシウムと結合すると結晶化し、腎臓に障害を及ぼしたり、尿管を詰まらせたりすることになります。
主に30代~50代に発症することが多く、尿路結石ができるのは男性の方が多く、男女比はおよそ2:1とされています。その理由としては、男性ホルモンが結石の成分となるシュウ酸を増やすためと考えられています。メタボリック症候群や高尿酸血症などの生活習慣病に当てはまる方は、尿管結石が発症しやすいので注意が必要です。
尿路結石の症状は、石ができる位置や大きさによって異なります。
尿路結石で、激しい疼痛が起こるメカニズムは、結石が尿路を塞ぐことで尿管痙縮が起こったり、腎盂の内圧が上昇したりして腎被膜が進展することによって起こります。尿路結石の主症状である痛みは、人が感じる痛みの中でも最も強い痛みのひとつと言われており、「出産を超える痛み」「七転八倒する痛み」「king of pain」などと例えられることもあります。
痛みは、石の大きさとはあまり関係がないと言われています。むしろ、小さい石のほうが、痛みが起こりやすいとすら言われています。これは、大きい石はあまり動けず、その場でゆっくりと大きくなるため、突然尿の流れを塞ぐことがないのに対し、小さい石は突然、腎盂から剥がれ落ちてきて尿管の細い部分に詰まるためです。1cmまでの結石は尿と一緒に流れ出て、自然に排石される可能性が高いので、内服薬や水分を十分にとるようにして排石を待ちます。1cmまでの結石の3分の2は1ヶ月以内に排石されると言われています。1cmを超える結石や、小さくても発症から1ヶ月を超える場合は腎臓機能に影響が出てくるため積極的な治療が必要となります。
腎結石
結石が腎臓内にあるうちは症状がないこともありますが、尿管に落ちてくると突然、脇腹や下腹部、腰の後ろ側などが激しく刺し込むような鈍い痛みがあります。
尿管結石
石がある側のわき腹、背中、お腹に激しい痛みが生じたり、血尿や吐き気が起きたりすることもあります。一般的に、石が小さいほど痛みが強くなるとされています。尿管の下の方で結石がつまると、頻尿や残尿感など膀胱炎のような症状となることもあります。
膀胱結石
症状がないこともありますが、下腹部に違和感があります。また、頻尿、残尿感、血尿がみられることもあります。
尿道結石
排尿時に強い痛みが生じたり、血尿や尿が出にくかったりという症状があります。
なんらかのきっかけで尿路結石が見つかったにもかかわらず、放置されているケースがありますが、結石を指摘されたら必ず受診をしてください。時間が経ち結石が大きくなったり、尿管と張り付いたりしてしまうと治療の難度や、リスクが跳ね上がってしまいます。すぐに治療が必要でない場合でも、経過観察が必要です。また、痛みを感じなくなって結石が排石されたものと勘違いしてしまうことがあります。長期陥頓結石となれば問題がありますので、必ず検査で、結石の消失を確認してください。
結石の主な原因は「体質」です。過去に尿路結石になった方は、再発する可能性が5割以上とされています。定期的通院の場合も、きちんと通院されず数年後に大きな結石を再発させ受診されるケースもあります。再発は結石が小さいうちに見つけ治療するほうが安全です。手術は、安全にできる治療ですが、手術室で麻酔を行い、尿管という細くデリケートな臓器に器械を挿入します。そのため、リスクがゼロとは言えません。また、術後の重症感染症という特有の合併症もあるため、早期治療や定期通院は大切です。
症状についての問診、触診、検査で結石の位置、大きさ、腎臓の状態などを調べて診断します。
触診
押したり、叩いたりすることで痛みを起こす部分や位置を確認します。
尿検査
尿中に血液が混ざっていないかを調べる尿潜血検査を行います。顕微鏡で尿中の赤血球の有無を確認するため、肉眼で確認できない血尿も発見できます。また、尿路感染症に関連する細菌の有無も確認します。
血液検査
血液を採取して尿素窒素、クレアチニン、尿酸、カルシウム、リンなどを調べます。この検査で、腎臓機能に異常がないかを確かめます。
腹部X線検査
結石の多くはX線で確認できるシュウ酸カルシウム結石であるため、X線検査を行います。この検査によって、腎臓から膀胱までの結石の有無や位置を確かめます。
超音波(エコー)検査
腎臓や尿管の状態を確認する検査です。結石自体は、位置によっては確認できないこともありますが、腎臓や尿管の腫れなど、身体への影響がわかりやすく、身体への負担も少なく、小さな腎結石やレントゲンに映らない尿酸結石の診断にも有用です。
CT検査
小さな結石や骨盤内に結石や尿管の狭窄がある場合、X線検査や超音波検査でははっきりと確認できないことがあります。CTではこのような結石も詳細に確認できることが利点です。但し、放射線被曝量が多く、頻回に行うことはお勧めできません。
結石が小さい場合、内服治療をしながら水分摂取し、自然排石を促します。内服治療薬として、結石の痛みを抑える鎮痛剤や、尿管の痙攣を抑え、結石を早く排泄させる薬や、同様の目的で前立腺肥大症に用いるアルファ1ブロッカーという薬を使うことがあります。また、生薬系の薬や、尿をアルカリ化して結石の結晶化を抑えるクエン酸を用いることもあります。
自然排石が期待できず、結石による症状が強い時は、手術療法の適応になります。(当院では対応できないため、近隣の専門医療機関に紹介します)以前は体外衝撃波結石破砕治療(ESWL)が第一選択でしたが現在はより確実性のある内視鏡を用いた手術が多く行われています。尿道の入り口から尿管鏡という細い内視鏡を入れて、レーザーなどで結石を破砕し摘出します。腎臓にできた大きな結石などでは腎臓に穴をあけて、内視鏡を入れ、結石を破砕摘出する方法を行うこともあります。
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